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レゴが子どもの発達に与えるポジティブな効果
レゴは子どもの育成において様々なポジティブな効果があります。以下にその主なものをいくつか挙げてみます。
近年の日本の教育でも上記で挙げたスキルを重要視し、新しい社会を生き抜くために育てるべき力「生きる力」を規定しました。いわゆる「学力の3要素」です。
学力の3要素
学力の3要素とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」の3つを指します。
これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。
そして,明るい未来を,共に創っていきたい。「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。
これまで大切にされてきた,子供たちに「生きる力」を育む,という目標は,これからも変わることはありません。
一方で,社会の変化を見据え,新たな学びへと進化を目指します。生きる力学びの,その先へ
「学習指導要領」の内容を,多くの方々と共有しながら,子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。
これらの要素は相互に関連し合っており、どれも高い学力を育むためには欠かせない要素です。これらをバランス良く育てることが、現代の教育の大きな目標となっています。
文科省「改訂額指導要領 改訂に込められた思い」より
「学力の3要素」の概念が教育界で注目を集めるようになった背景
「学力の3要素」の概念が教育界で注目を集めるようになった背景には、以下のような要素があります。
社会的な変化に対応するために、「学力の3要素」すなわち「生きる力」を育むことが教育の重要な目標とされています。学校教育の中で「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」や「主体性・協働性」を育むための教育改革が進められています。これには、アクティブ・ラーニング(主体的な学び)の推進、評価方法の多様化、学校全体での教育力強化などが含まれます。なかでも、主体的な学びであるアクティブ・ラーニングは以前はなかった概念ですから、大きな改革ポイントです。
アクティブ・ラーニングとは
アクティブ・ラーニングについて説明します。
アクティブ・ラーニング
子供たちの頭の中が「アクティブ」に働いているか?
ただ話し合ったり、発表したりすることではありません。どんな授業にしていくの?
見通しをもって、粘り強く取り組む力が身に付く授業に。
例えば、
技術・家庭で…材料と加工の技術によって生活の問題を解決する授業家族が必要としている棚や椅子を設計・製作する際に、つくりながら、うまくいかないところを修正したり、よりよいものを目指して改善したりしていく必要がある。授業改善の視点
文科省「改訂額指導要領」より
どうしたら、見通しをもって作業したり、粘り強く考えたりすることができるだろうか。
「主体的な学び」の視点
上記は授業の工夫ですが、子どもたちに対応できる能力がなければ戸惑ってしまいます。戸惑いがあれば「主体的な取り組み」ではありません。
アクティブ・ラーニング
周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業に。
例えば、
理科で… 11物の溶け方の授業「水に溶けた食塩のゆくえ」について、グループに分かれて、蒸発させる・重さを測るなど、様々な方法で調べ、考えた結果をグループ間で共有する。授業改善の視点
文科省「改訂額指導要領」より
どうしたら、グループ間の議論を深め、様々な視点で考えを深めさせられるだろうか。
「対話的な学び」の視点
レゴが子どもの発達に多くの利点をもたらすという研究資料
レゴが子どもの発達に多くの利点をもたらすという見解は、教育専門家や研究者から広く受け入れられています。以下にいくつかの研究を紹介します。
- 言語スキルと社会的スキル:ボストン大学の研究では、レゴのようなブロック遊びが子どもたちの言語スキルを向上させることが示されています(Pepler DJ, Ross HS. 1981)。同じく、他の子どもと共にブロックを使って遊ぶことは、共同作業、交渉、問題解決のスキルを育てる重要な手段となります。
- STEMスキル:ワシントン大学とデンマークのビロー大学共同の研究では、レゴのようなブロック遊びが子どもたちの科学、技術、エンジニアリング、数学(STEM)スキルを向上させることが示されています(Christina Schonberg, Dorthe Winther-Lindqvist, 2013)。この研究では、レゴを使った遊びが空間認識能力や数学的思考、問題解決能力を向上させることが明らかになっています。
- 創造性:レゴといったブロック遊びが子どもたちの創造性を向上させることが、多くの研究で示されています(Pepler DJ, Ross HS. 1981)。レゴブロックを使って遊ぶことは、子どもたちが新しいアイデアを発想し、それを物理的に具現化するプロセスを通じて創造性を刺激します。
これらの研究結果は、レゴが子どもたちの育成において多くのメリットを持つことを裏付けています。「生きる力」に大きく寄与することがわかります。
「学力の3要素」は大学入試制度にも大きく反映されているので、小さいうちからこれらの能力を育てることは今後の学校生活、ひいては充実した社会生活の実現には欠かせないでしょう。
まとめ
レゴが育むスキルは、学校の成績だけでなく、人生全体で成功するために重要です。だからこそ、レゴは子供たちにとって素晴らしい教育ツールとされています。
教育効果や子どもの能力が伸びる点については下記の記事で解説しているので、参考になさってください。
それではまた。
ダコタ